旧「茶のしずく」の被害者たち
東京都内に住む、「茶のしずく石鹸」を愛用していたある女性は、「食事をして、しばらくしてから急に何のまえぶれもなく目が腫れてきた」そうです。まぶたは大きく腫れあがり、眼が完全にふさがれてしまいました。
この女性にこうした症状が出始めたのは、2010年12月のことです。それ以来、突然のまぶたの腫れやじんましんなどに苦しみましたが、原因がわかったのは発症から半年後のことでした。
翌年の5月に、福岡県の化粧品販売会社「悠香」が、旧成分の「茶のしずく石鹸」の自主回収を始めたという記事を目にしたのがきっかけで、アレルギーの専門外来を受診したところ、「『茶のしずく石鹸』により誘発された小麦アレルギー」という診断を受けたのです。
「小麦アレルギー」とわかっておよそ1年、その女性は小麦を使ったパンやパスタ、揚げ物などを一切、食べることができなくなってしまいました。「何でもっと早く教えてくれなかったんだろう。成分を変えたり販売をやめたり教えてくれるなりすれば、私も発症せずに済んだ。そこのところを悠香はどう思っているのか」。
「茶のしずく石鹸」の被害者らは、「小麦アレルギーになり重大な損害を受けた」として、「悠香」などを相手取り損害賠償を求める裁判を一斉に起こすことにしています。